【10/26(金)公開予定】映画「search/サーチ」の感想-すべての物語が液晶画面上で展開する斬新な映画


作品情報

原題:Searching

邦題:search/サーチ

2018年公開のアメリカ映画

※日本では2018年10月26日(金)に劇場公開予定

あらすじ

忽然と姿を消した15歳の女子高生マーゴット。行方不明事件として捜査が始まる。家出なのか、誘拐なのかわからないまま37時間が経過。娘の無事を信じる父デビッドは、彼女のPCにログインしSNSにアクセスを試みる。インスタグラム、フェイスブック、ツイッター…。そこに映し出されたのは、いつも明るく活発だったはずのマーゴットとはまるで別人の、自分の知らない娘の姿だった――。「一体何が起きている?」捜査が行き詰まる中、マーゴットが消えて4日目、事態は急展開を迎える―。

出典 Amazon

トレーラー

評価

(4/5)

以下、ネタバレを含みます。

感想

NewsPicksの抽選で50人が招待される試写会に当選したので、2018/10/26(金)に公開予定の映画「search/サーチ」を鑑賞してきました。

画面が100%PC上ではない

広告では物語が100%すべてPC画面上で進行すると謳っていますが、スマートフォン上で進行する場面がありました。些細なことですが少し誇張されているようで気になりました。

OSやソフトウェアの変遷が面白い

マーゴットが幼い頃にはOSはWindowsXPでコミュニケーションツールはSkypeでしたが、成長するにつれて使用するツールが変化していきます。スマートフォンの普及や通信環境の向上がこうした変化を社会にもたらしたことが如実に受け取れると思います。実際に自分の使用してきたツールと比較してみると、より面白く感じると思います。また、主人公デビットの妻であるパムの死去やマーゴットの成長が理解できる、時間の経過を感じられる上手な使い方だと思いました。

ストーリーは伏線が多く読めない

マーゴットが行方不明になり事件性があることが分かりましたが、伏線が多く誰が犯人か推測するのが難しかったです。デビッドの兄弟やマーゴットとSNS上で接点のあった人物など犯人と思しき存在が多く、それぞれにそれらしい理由がありますが、それが覆されてしまいます。最終的に事件を担当していた警察官のヴィック刑事が、息子を隠避するためにこの事件の担当に志願していたことが判明しました。ヴィック刑事についてはあまり怪しいと感じていなかったため驚きましたが、犯人に見せかけて自殺したことにされた元受刑者と一緒に写った画像を覚えていた人にはその時点で犯人が分かっていたことでしょう。このように、伏線やヒントが作品中に散りばめられているため、犯人を推理しながらサスペンスを楽しむことができる作品に仕上がっています。

まとめ

マーゴットが成長するにつれてOSやコミュニケーションのソフトウェアが替わっていく様子は懐かしくもあり、自分のIT遍歴も同様に振り返ってみるとより面白いと思います。また、現実世界とSNS上での乖離が感じられる点も面白いです。デビッドとの会話ではマーゴットと親しい友達ではないと公言していたにも関わらず、事件が大きく取り上げられると親しい友達であるかのように振る舞う動画をアップロードするSNS上の”ともだち”のシーンは、実際に現実でもあり得ることのように思え、うすら寒く感じました。
謎が少しずつ解明されていき、犯人とその動機が分かったときにはすべてが氷解します。綺麗にまとめられた非常におすすめできる映画です。