映画「パプリカ」の感想-夢が現実を侵食する異色のアニメ映画


作品情報

パプリカ

2006年公開の日本映画(アニメ)

あらすじ

患者の夢に入れる装置がセラピストの元から盗まれた時、悪夢が始まった。止められるのは、うら若きセラピストのみ。パプリカだ。

出典 Amazon

評価

(4/5)

以下、ネタバレを含みます。

感想

夢と現実の狭間

どこまでが夢でどこからが現実か、それを正しく認識することはできるのか。DCミニで街中の人が夢を共有している状態では、いずれ異常が異常として受け入れられない世界になってしまうのかも知れないので非常に恐ろしく感じました。

パプリカと千葉敦子

現実世界の敦子と夢の中のパプリカ。この二人は正反対の性格のように描かれていますが、敦子の心の内が体現したのがパプリカなのではないでしょうか。現実で見せている姿は仮の姿で、本来はパプリカのような性格で感情を豊かに表現している。劇中で小山内が「いくつもの顔がある。それが人間だ!」と言っていましたが、パプリカはこの言葉を象徴する表裏一体の存在なのかも知れません。

なめらかなアニメーション

終始、様々な生物や物体がパレードをしていますが、アニメーションがとてもなめらかで驚きました。普段アニメをあまり見ないので、アニメも進化しているのだと実感しました。特に、終盤のパレードのシーンは必見です。

音楽が良い

平沢進が手掛けていますが、パプリカの世界にマッチした見事な音楽です。難解で不可思議な世界を表現するのはとても困難だったと思います。おすすめは「パレード」です。

パプリカ オリジナルサウンドトラック

まとめ

一回見ただけでは理解が追い付かないところがありますが、こういった精神世界のような話は解釈がいろいろできて面白いですね。上述しましたが10年以上も前の作品にも関わらず、アニメーションについては圧倒的で驚かされます。映像美と難解なストーリーが楽しめる逸品です。