映画「ゲット・アウト」の感想-霊的ホラーが苦手でも見られる良質な狂気的ホラー


作品情報

原題:Get Out

邦題:ゲット・アウト

2017年公開のアメリカ映画

あらすじ

ニューヨークに暮らすアフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、ある週末に白人の彼女ローズの実家へ招待される。若干の不安とは裏腹に、過剰なまでの歓迎を受けるものの、黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚える。

出典 Amazon

トレーラー

評価

(4/5)

以下、ネタバレを含みます。

感想

ホラーが苦手でも見られる

個人的に霊的なものやグロテスクな描写に耐性が無いため、事前にレビューを調べてから視聴しました。結果、狂気的な作品ではありますが霊的なものではないので見られました。一部、グロテスクなシーンもありましたが、一瞬だけだったので問題ありませんでした。

多様なメタファーと伏線

主人公クリスの彼女であるローズの実家に向かうのに、車を運転しているのがローズであることに違和感がありました。鹿をはねた後にクリスも運転免許証を持っていることを明かしていたので、さらに疑問に思いましたが、これも伏線だったようです。このような、何気ない些細な言動が伏線として機能していました。
また、様々なメタファーが散りばめられているようですが、気が付くことができたのは少数でした。もう一度見ることはないと思いますが、見るとすればそういったところに着目すると面白そうです。ただ、途中で出てきた警官3人が全員黒人だったので伏線なのではないかと気にしていたのですが、これに関しては特に深い意味はないようだったので肩透かしを食らいました。

ローズも敵側だった

家を出る準備をしているときにローズが過去の黒人パートナーと撮った大量の写真を見つけたことで、彼女もアーミテージ一家の側に着いていることが明確になりましたが、これは特に驚きはありませんでした。あまりにも主人公より過ぎて、むしろ怪しすぎましたね。

まとめ

霊的なホラーが苦手な人でも見られる良作です。伏線とメタファーが多いので、それを留意して見ると非常に面白いと思います。
未だにアメリカでは人種差別が根強く残っていることが分かる作品でした。移民で成り立っている国なので、そういった遺恨もあるのでしょうが、日本もいずれ大量の移民を受け入れ始めたらこうした軋轢が生まれてくるのでしょうか…。